子供と大人と私と虫と

お嬢様、ご機嫌麗しゅうございます。
明石でございます。

お嬢様は「大人になったなぁ」と思うことはございますが?
私は変なところで思うことがございまして、今回はその事についてお話しいたします。

幼き頃、私は生粋の虫取り少年でございました。
周りからも昆虫好きとして周知されており、特に捕獲に関しては右に出るものがいなかったと自負しております。
(自慢話として、、、昔友人と虫取りをしていた時、「◯◯で◯◯なカマキリが欲しいなぁ」と友人が呟いたので、その瞬間に私は目を皿のようにして回りを見渡し、その特徴とぴったりのカマキリを一瞬で捕獲し驚かせたのはいい思い出でございます。)
バッタにトンボ、蝶やカマキリと何でも捕獲し、虫取り網を持たせれば鬼に金棒、およそ捕まえられない虫はいないと人からも虫からも恐れられておりました。
そんな私も月日がたち去年の夏頃、久しぶりに虫取りをしようと(それも昆虫界の王者、カブトやクワガタ)出掛けることに致しました。途中休憩などを挟み、何とか生息していそうな林までたどり着くと私は早速探し始め、数分ほどで最初の一匹を見つけ捕獲しようとした時、ふと手が止まりました。
「なんか触りたくない」
何か嫌悪感のようなものがよぎりました。さらによくよく見てみると周りに色々な種類の虫が集まっており、「こりゃだめだ」と一歩引いてしまいました。
引いた理由が毒を持ってそうや噛まれそう、それとも単純に触れたくなかったのかは分かりませんが、昔なら何も考えずに捕まえたことでしょう。

これが少年の心を忘れ、大人になったということなら、なんだか寂しい気持ちでございます。

終わり。