紅茶のススメ

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

先日ティーサロンの日誌を読んでおりまして、
百合野の紅茶の入れ方についての話が
使用人としてもとてもいいものだなと感じました。

私もギフトショップのヴァンドゥールとして、
またティーサロンにて紅茶係を拝命する一使用人としても、
皆様に紅茶の入れ方というものについて
お話させて頂くことも多くございます。

素晴らしい入れ方というものもあるかと存じますが、
的場などがよく申し上げるような
水出しアイスティーにしてしまうというのも
手軽でよろしゅうございますね。
家庭用の一リットル程度のボトルに、
底が見えなくなる程度(グラムとしては通常の2~3倍)を
使用して半日程度放置するだけです。
茶葉をこすのが面倒な場合は、
手に入りやすいお茶出し用のパックなどを
ご使用いただくのもよろしいかと存じます。

とはいえ寒さが増す季節にございますから、
ホットティーを楽しまれたい機会も多いと存じます、
茶葉入りで味を調整するというのは、
百合野がご提案しておりました。
ですので私が紅茶を入れる際に
最低限気を付けていることなど、
認めさせていただければと存じます。

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1、茶器を温める。

ティーサロンにおいては専用のウォーマーを使用しておりますが、
ご別宅では、簡単に湯通ししていただくのがよろしいかと存じます、

ティーカップやポットに少量のお湯を入れてから、
茶葉の計量に取り掛かりましょう。
軽量後にお湯を捨てていただければ、
程よく温まっていますので、お湯は捨ててください。

紅茶の抽出の適温は、
出来るだけ100度に近い、沸騰したてのお湯と言われます。
茶器を温めることで、あまりお湯を冷まさず抽出出来ますし、
より温かいままで紅茶をお召し上がりいただけます。

余談ですが、この抽出の際の湯温には諸説あります。
使用人間でも意見の分かれるところでして、
使用する茶こしも温める者もおりますし、
抽出時にティーポットにコージーを被せる者も。
修業時代に教官から聞いた話によると、
やかんからティーポットにお湯を注ぐその間にも、
湯温が下がるという考え方もあるそうです。

紅茶というのは嗜好品でございます。
こだわりも人それぞれですし、
ある意味それも楽しみ方の一つでもあります。
興味あれば、色々とお試しください。
(締めのようですが、まだ続きます)

(1.5、沸かしたてのお湯を使用する)

何を隠そう一番面倒(と私は思います)。
この沸かしたてのお湯というのが曲者で、
可能であればやかんを使うのが適切です。

湯を沸かすことで、
程よく水に空気を含ませる目的があるという点。
沸かし過ぎも厳禁なので、
調整がしやすいという点で、やかんがベターです。

(これもステンレスのやかんのほうがいいだとか、
 少し使って馴染んだものがいいですとか、
 色々なことを言う人がいますね)

またこれは百合野も申しておりましたが、
水の鮮度も大事であるという点。
入れる直前に汲んだ水を沸かして、沸かし直しはしない。

先程から申し上げている湯温100度に近い状態は、
「グラグラと煮立った状態」のことを言います。
より正確に言いますと、
5円玉超の大きな気泡がぼこぼこと
浮かび上がってきている状態を指します。

ですが今の世の中電子ケトルなど、
便利なものもありますし
使っていただいてもよろしいかと存じます。
私も部屋で飲む時は、もっぱら頼りにしております。

面倒な入れ方は、
私も含めた紅茶係を務める使用人たちに、
お任せいただいてもよろしゅうございます。
ですので、「1.5」にさせていただきました。

2、茶葉の計量と湯量と抽出時間。

紅茶協会のすすめでは、
茶葉を抽出する場合
【5g/300ml/3分】とされています。
細かいことを申し上げますと
茶葉によって様々あるのですが、
概ねこの通りでよろしゅうございます。

ハーブティーは個々の違いが
茶葉以上に多くございますので、
難しい部分がございます。
ご興味あれば、お尋ねください。

この【茶葉の計量・湯量・抽出時間】が、最も大事です。
これさえ押さえていれば美味しく入ります。
他の部分は、より美味しくする為のものです。
(特に「こだわり」と申し上げているのは
 100点により近づける為のもの)

茶葉の計量について、はかりがあればいいですが、
なければティースプーンで2.5杯弱。
(山盛り2杯と少しです)
目分量なので何度か入れていただいて、
丁度いいあんばいをお探しくださいませ。

湯量に関しては、
一度300mlを計ってティーポットに入れてみてください。
注いだ際の大体の水位が分かりますので、
以降はそれを目安にお試しくださいませ。
実際の湯量は茶葉を含みますので、
お湯のみの水位より、気持ち高めに考えると
上手くいくかと思います。

抽出時間はタイマーなどで計ってください。
抽出後は、茶こしをかませてセカンドポットに。
茶葉は出していただいた方が
余分な渋みやえぐみが出ません。
面倒であれば、茶こし付きのガラス製ポットがお勧めです。

ちなみに使用人の中には、
セカンドポットに移すまでを3分と考える者と、
抽出開始からが3分と考える者がおります。
ここもこだわりポイント! ですね!

3・4、湯を注ぐ、抽出する、セカンドポットに移す。

湯を注ぐ一つとっても、
ジャンピングが云々、やれ優しく注ぐ、
いや高い位置から注ぐべきだ、
いやそんなものは意味はないetc…
様々なことが言われます。

私としては、
香りを立てたいときは
少し高い位置から強めに注ぎ、
ピュアティーなどは優しく注ぐようにしております。
とはいえこれも、
良くなる気がするといった部分ですので、
精進が必要ですね……。

セカンドポットに移す際も、
同じイメージが私にはあるのですが、
伊織などは普通に移しているので、
あまり関係がないのかも。

カップに直接注ぐのであれば、
高めから注ぐと香りは広がりやすいはずです。

この辺りは人それぞれ千差万別の部分ですので、
機会があればまたお話いたします。

===

美味しい紅茶はお楽しみいただけたでしょうか?
長くなりましたが、以上です。
まだまだ若輩者ですのに、語りすぎてしまった気も。
口だけにならないよう精進いたしますね。

是非、使用人たちの考案いたしましたブレンドを、
ご別宅でもお楽しみくださいませ。

あ! お勧めのブレンドですよね!

入れやすいのは圧倒的に、リリスと眠り姫です。
物腰の柔らかい百合野らしい柔らかな味わいと、
どんなに入れ方をしてもしっかりと芯がぶれません。
ストレートでもミルクでもよろしゅうございます。

フレーバードティーですと、
フリグが入れやすくてお勧めです。理由は言わずもがな。

少しこだわって入れてみたい方には、
ストレートなら姫睡蓮・アレキサンドライト。
姫睡蓮はステビアをしっかり入れるのが大事。
アレキサンドライトは私のイメージだと、
ジャスミンの味わいとフレーバーのバランスを
上手く出すのが難しい印象です。

ミルクティーですと、
PSG・メドゥアダラク・ゴシックあたり。
PSGは、当家のブレンドで1・2を争う難しい茶葉(私調べ)。
香りが繊細で消えやすい。しっかり出せたら素晴らしい。

メドゥも雑に入れると香りが弱いので難しさが。
ただチャイティー的な楽しみ方と考えると、
気にしなくてよろしいかも知れません。

ゴシックは甘い香りの部分をしっかり立てませんと、
アイリッシュウイスキーのフレーバーを感じにくいので、
バランスが意外に難しいので、出せると嬉しいです。

……ニルスはどうなのか?
作った本人なので簡単なのです……。
ジュニパーベリーを多めに入れるよう、
意識してみてくださいませ。

止め処ないので、この辺りで。
紅茶のお話も是非致しましょう!

才木