ぎょ機嫌麗しゅうございます、お嬢様。明石でございます。
え?挨拶がどこか変でございましたか?……ややっ!これはうっかりしておりました。先日の釣りが楽しすぎたゆえ、「ご」と「ぎょ」を間違えてしまいました。申し訳ございません。
いやー、それにしても先日の釣りはとても素晴らしい成果でございました。今も半ば興奮気味でこの文章を書いております。
一体何が素晴らしかったのか?
まずは一枚の写真をご覧くださいませ。
美しい黒と銀に彩られたこの魚。名を黒鯛と申します。(またの名をチヌ)
フカセ釣り(餌を使用する釣り)を始めるにあたって、釣り人がまず目標にするお魚がこの黒鯛かと存じます。
かくいう私も今まで釣り上げたことがなく、常に憧れておりました……が、しかし。ついにその時がやってきたのです。
この日は9月中旬でございましたが、さすがにまだ夏の暑さが残っており、照りつける紫外線に加え、予報外の通り雨や荒々しい波など、厳しい環境でございました。
ですが私と友人はそんな困難な状況でも希望に満ち溢れておりました。なぜならば、確かな情報筋からこのポイントで黒鯛が釣れるということを聞いていたからです。
我々は無我夢中で竿を振り続けました。
気がつくと時刻は17時前。いわゆる夕マズメ(日の入りすぐ)の時間帯でございます。
「今日一番のチャンスかもしれない」と、期待に胸を膨らませていると、ぐぐっと何かが餌に食いつきました。その引きは今までとは明らかに違います。友人もそれを感じとったのか一旦竿を置き、タモの準備を始めました。
私は逃がすまいと必死にリールを巻きました。
すると徐々にその姿が見えはじめたのです。メジナでもアイゴでもない、黒と銀の光沢が。
私は焦る気持ちと興奮を抑えリールを巻き続けました。そして海面ギリギリまで来たところで友人が絶妙のタイミングでタモを入れ、無事釣り上げたのです!
この時をどれだけ待ちわびたか。実は友人も一度も釣ったことがなかったので、彼も大喜びをしておりました。
なんと素晴らしい一日だったのか!ただ一つ残念なのがお嬢様の食卓を彩るには少しばかりサイズが心もとないと言うこと。なので散々迷った結果、今回は我々で頂くことにいたしました。
次こそは良型でとびきり脂の乗った黒鯛をお嬢様に届けとうございます。
それではまたお会いいたしましょう!
おまけ1
お嬢様、ご覧いただき誠にありがとうございます。
今月はなんとか掲載できました。
来月もこの調子で頑張る所存でございますので、ご期待いただければと存じます。
おまけ2
そういえば他にも小さいながらも別の魚も何匹か釣れましたので、そちらの写真も載せておきます。
それと調理した焼き魚の写真も載せておきます。
終わ……
(やはり事実を申さねばならない)
実は今回釣り上げた黒鯛でございますが……
本当は友人が釣り上げました……
あたかも私が釣ったように見せて、申し訳ございませんでした!!
釣ったシーンでも本当は私がタモ係でございました。
私が釣れたのは小さなお魚だけで、それがなんと申しますか、とてもくやしゅうて、くやしゅうて、見栄を張ってしまいました。
誠に申し訳ございません。
ただ、もしまた釣りをする機会があれば、次こそは私の手で黒鯛を釣り上げたいと存じます。
そして必ずやお嬢様の食卓に届ける次第でございます!
終わり。