拝啓 お嬢様へ

夏も近づき、窓から吹き込む風も心地よい季節となってまいりました。
お屋敷の休館をお許し頂き、お側を離れまして、はや半月が過ぎようとしております。

目覚める朝にも眠る夜にも、お嬢様がきちんとお食事を召しておられるか、お風邪を召していないかと、
御身を案じぬ日はございません。

間もなく雨の季節も明け、再びお目通り叶う日も近うございます。
より一層の気品を身に付けられたお嬢様との再開を心待ちとし、
そんなお嬢様方に仕えるに相応しき執事として、その日を迎えられるよう、私どもも努力を惜しみませぬ。

どうか今ひとときの間、お側を離れること、お許しくださいませ。
そして口煩いようでございますが、くれぐれも身体にはお気をつけてお過ごしくださいませ。
お元気な笑顔に再会できるその日こそが、私どもの心の支えなのですから。

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お嬢様への手紙 ~ お屋敷への軌跡 その2

我が敬愛せしお嬢様。
新緑が庭園を彩り、明るく降り注ぐ陽光は早くも夏を予感させる…
そんな気候となってまいりました。
急激に気候が変化する時期でもございますが、お嬢様はご健勝であられますか?
時任は、こう見えて頑丈が取り柄でございますので、自身の心配は致しておりませんが。
お嬢様がお風邪を召していないか、ちゃんとお食事は召し上がっておられるか。
そんな過分な心配ばかりを心に浮かべて、日々を過ごしております。
さて。

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