番外日誌

拝啓、我が敬愛せしお嬢様。

先日、珍しく別館ブルーローズの番に立たせて頂いたところ、明るい場所に長居したせいか肌がピリピリと痛くなりました。どれだけ太陽と仲が悪いのかと、リアルに悩みつつある時任でございます。

さて、今宵はいつもの小咄の筆を一時置きまして、「カクテル」などについて語らせて頂きます。

去る20日「ミントの日」に、大旦那様の計らいを頂き、僭越ながら、お嬢様方にカクテルをご用意させて頂きました。

オリジナルカクテル「ヘミングウェイ」でございます。
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…写真撮影の才覚は皆無でございました。

カリブ原産のホワイトラムをベースに、爽やかなライムとミントの香が混じり、それにグリーンバナナの甘さが加わる…といった品でした。

何故に文豪ヘミングウェイ氏の名を冠させて頂いたのかと申しますと、このカクテルのアレンジ元となりました「モヒート」と申しますカクテルが、ヘミングウェイ氏が生涯の友として愛した二つのカクテルの一つであったからでございます。

『ダイキリならばフロディディータ、わがモヒートはボデギータ』
現在もカリブ海の老舗バー『フロディディータ』『ボデギータ』に刻まれている、文豪が遺した一文でございます。

カリブ海へと釣り舟を出すときは、必ず2リットルもの水筒にこのカクテルを作らせて出かけたというこの剛毅で変わり者な文豪の名こそ、当家オリジナルカクテルに冠する名として相応しいと思い、名付けさせて頂きました。

ヘミングウェイがカリブの海原で、照り付ける陽光の下でグラスを傾け、ミントの涼味で喉を潤したように、初夏の暑さも暫時忘れられるような味わいをお届けできたなら幸です。

さて。

そんなヘミングウェイが生涯愛した二つのカクテル。
モヒートと、もう一つは『フローズンダイキリ』でございます。

このフローズンダイキリも、真夏の暑い日にぜひ、お嬢様の元に届けたいカクテルでございます。

ヘミングウェイ『海流の中の島々』よりーー
ーー島を囲む白い砂浜と、波頭の飛沫の白はグラスに凍てついた霜と氷塊。空を映す青は海原。
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真夏のカリブ海そのもののような、このカクテルも。

いつか貴女様の元へ届けさせてください。