街は淡い雪化粧をまとい、綺麗な反面、私の身を凍えさせようと吹雪いておりますが、お嬢様方は暖かくして過ごされていますでしょうか?
環でございます。
最近は外にも出ずにピアノやギターを弾いておりますが、やたらと新しい曲が産まれて参ります。
ここはお嬢様への想いの丈を歌にしてバレンタインにプレゼント出来たらと思います。
………。
ジー………。
何やら視線を感じます。
こっそり後ろを向いてみましょう。
…………。
夕浅!?
しかしなぜあんな視線を私に??
はっ!?
もしや………。
遠矢にラブソングを作ってると勘違いしてるのではないでしょうか?
このままでは細やかな嫌がらせを受けてしまう。
何とか説明しなければ。
「あ、夕浅さん」
返事がない?
ん?何か口が動いてるぞ。
『ほ・ん・に・ん・に・き・か・せ・た・ら・・・』
……。
最後わからなかったのですが、聞かせるなという想いは伝わりました。
この曲はまた日を改めて、夕浅が忘れた頃にでもお嬢様方に聞いていただけたらと存じております
それでは素敵なホワイト・バレンタインデーを。
………。
まだ居ますね。