司馬でございます。
皆さま、お健やかでいらっしゃいますか?
5月上旬をすぎまして、温かいと申しますより、汗ばむ陽気が続くようになりました。
もう季節は、初夏でございますね。
当家庭園の東屋におきましても、毎日のようにお嬢さま方のお茶会が催されております。
目に染みこむような新緑を背景に、当家自慢のスコーンをつまみながらのティータイム。なんとも贅沢な時間ではないかと存じます。
もちろん、スワロウテイルにおきましても、この季節にふさわしいスイーツとお飲み物をご用意いたしております。お嬢さま方に優雅なティータイムをお過ごしいただけますよう、使用人一同、お給仕により心をこめる所存にございます。
さて、
「目には青葉 山ほととぎす 初がつを」
という素堂の句がございます。
この時季の名物を余すことなく盛り込んだ名句ではないかと存じますが、「勝男」とも書かれる威勢の良い字義、そして、すっきりといなせな縞をまとった初鰹の姿は、まさに爽やかな青葉の季節にぴったりで、江戸っ子たちが競いあって手に入れようとしたのも、無理はなかろうと推察されます。
その季節にあった食卓の喜びを求めることは、人生を豊かにするコツの一つではないでしょうか?
では、さっそく江戸っ子たちにならって、今夜は初鰹で冷酒を・・・。
と、いきたいところでございますが、残念ながら市場で鰹は入手できず、自室の酒庫に転がっているのはワインの瓶だけでございました。
まあ、これはこれで、良いものでございます。
夏の盛りはビール党の私でございますが、この季節にはキリリと冷えた白ワインなども一層おいしく感じられます。
やや変則的ではありますが、海老餃子やカニ焼売などの中華点心を肴にいたしまして、今宵はカリフォルニア・ワインを楽しむことにいたしましょうか。
これをお読みになられている皆さま方に、いつも口福の喜びが訪れますよう、酒杯をかたむけつつお祈り申し上げております。
では、今回はこの辺りで失礼いたします。