出会いの月

皆さま、お健やかでいらっしゃいますか?
暖かな陽気が続くようになりました。ようやく春本番、といったところでございましょうか。

さて、「三月は別れの月、四月は出会いの月」という言葉がございます。
三月は卒業シーズンでございまして、四十年近く生きてまいりました私も、思えば、環境が変わるたびにいくつもの別れを経験してまいりました。
恩師、親しい友人、同僚、後輩・・・・。
もちろん、たとえ環境が変わっても、時折旧交を温めあう仲となった方もいらっしゃいます。それはとてもうれしい財産でございます。
しかしながら、いくら親しくしていただいても、いつの間にか疎遠となり、ご縁がなくなってしまった方もいらっしゃいます。
時々、ふっとそんな方々のお顔を思い出し、胸が温かくなるような不思議な気持ちもいたします。あのお方は、お元気だろうか?と。
そして、このような気持ちにさせてくれた出会いに、感謝せずにはいられなくなるのでございます。
桜の花が開くたびに、また新たな出会いがやってまいります。
お屋敷にも、また新たな使用人が勤め始めることでございましょう。また、いまだお目にかかる栄に浴しておりませぬお嬢さま方も、まだまだ大勢いらっしやいます。
これからも、数多くの良き出会いがあることを祈らずにはいられません。そして、その出会いを大切にしつつ、さらにお屋敷を盛りたてていきたいと存じます。
それでは、このへんで失礼いたします。