お肉がない

スワロではつまみ食いをする
若者が増えている

今朝いた桜井の
頬にソースついていた

それよりも問題は
今日のカレー お肉が無い

言わなくちゃ
あえて強く言わなくちゃ
この際だから言わなくちゃ
お肉を下さい

温かいルーが
お皿越しに伝わる
お肉の事以外は
考えられなくなる

それはいい事だろう・・・。

「あ、遠矢君」

「環さ~ん、どうしたんですか?お皿なんか持って」

遠矢君のお皿には同じくカレーライス。
中に入ってる具は・・・。

ミートボールか。
しかも真ん中に旗が立っている。

「いや、何でもないよ。」

「変な環さん♪」

スキップしながら去っていってしまった。
皿を持ちながらスキップとはさすが影の努力家。
侮れないな。

「よ、環。」

「あ、桜井。」

「どうしたの?」

「いや、おに・・・?」

桜井の頬にあったソースの跡が消えてる。
誰にも気づかれなかったと安心してるのかな。
まぁあえて言わないでおこう。

「桜井のカレーには何が入ってるの?」

「じゃーん。」

スペアリブかぁ・・・。
さっきの頬についてたのは多分スペアリブのソース。
また食べるつもりなのか。
でも深く追求しても面白くなさそうだから止めとこう。

「ちゃんと食べきりなよ。」

「おう。」

もうどれくらい食堂を歩いただろう。
手に持った皿はとうに冷たい。

もうここまでかと諦めていたところに救いの声が。

「環さん、どうしたんですか?」

「その声は対馬・・・ん、対馬のカレー量多くない?なんか具がゴロゴロ入ってるような。」

「そうなんですよ、ついついお腹が空いていたので多めに注いじゃいました。」

「~えのせいだったのか・・・。」

「た、環さん?」

「フフフ・・・。」

「目が、ううわぁ~!」

食べ物のうらみは恐ろしいので皆様もご注意下さいませ。

「夕浅さん、おに・・・。」

「遠矢の兄は一人で十分だから。」

「・・・。」