椎名でございます。
またお屋敷の歴史に1つのページを加えることができました。
18年という年月をお嬢様と共に過ごせましたことを、心より感謝申し上げます。
いち個人の人生としても18年は長い歴史と言って差し障りがないかと存じます。
お屋敷は世界的な困難を乗り越え、とうとう今月には使用人たちもマスクを外し、
お嬢様に本当の意味で隔たりなく、お仕えすることが叶いました。
「やっとここまで戻って来れた」と言う想いとともに、ここからが再スタートでもあると身の引き締まる思いでございます。
20年の節目も目前となってきたお屋敷でございますが、
現代社会を生きていく中で、様々な環境の変化による意識のアップデート、
そして新しい価値観や情勢に敏感であるアンテナは必要でございますが、
お嬢様のために、お屋敷のために守るべき
“ゆるぎない価値観”が今だからこそ必要であると確信してございます。
それはあなた様が屋敷のお嬢様であり、我々はお嬢様にお伝えする使用人であることです。
我々はお嬢様のために存在してございます。
我々の全てはお嬢様のために。
その一点は、いかに環境が変わろうとも変わることない我々使用人の大切なアイデンティティーでございます。
昨年長らくお勤めしてございました執事藤堂が勇退いたしましたが、
そんな藤堂が常日頃口にしておりましたのがお嬢様への想いでございました。
どんな小さな事でも、お嬢様のことを気にかけ日々の執務にあたる彼の姿は、
我々の目指すべき姿です。
これからも、使用人一人ひとりが向上心を持ち、
強い意思を持ってお嬢様にお仕えできるよう、
ハウススチュワードはじめ使用人一同研鑽を重ねてまいります。
いつまでもお嬢様の帰るべきお屋敷を守るために。
お屋敷にてお嬢様のお帰りを心よりお待ち申し上げます。
椎名