お嬢様、寒くなってまいりましたね。
寒くなると思い出すものがございます。
それは使用人達で集まりお食事をした、お鍋でございます。
主に環が鍋を作ってくれます。
絶妙な味加減も…。
彼はセンスがあるのでしょうね。
いつも間違いのない塩梅で仕上げてくれます。
そして、隈川はみんなにチョコをくれます。
「要りますか?」
ではなく、チョコをそのまま渡してくれます。
そんな中、伊織は…
本を読んでおります。
そして、私は。
その全体の様子を眺め、楽しんでおります。
そんな空気感が私はたまらなく好きなのでございます。
何気ない時間。
何でもない時間。
お嬢様、どうかいつまでも、変わらぬ日々を。