第二十二回フットマンティーの魅力

厳しい夏の暑さもようやく落ち着きを見せ、秋の訪れを感じさせる今日この頃。
いかがお過ごしでしょうかお嬢様、お坊ちゃま。
紅茶係の白川でございます。
今日はこれから訪れる秋の夜長にぴったりの紅茶のご紹介でございます。

 

それでは参りましょう。

第二十二回フットマンティーの魅力は二回目の登場。
ティーサロンではファーストフットマン、執事歌劇団では歌唱を務めます、百合野の〝眠り姫〟の魅力に迫ります!

まず、眠り姫はデカフェのピーチフレーバーのセイロンとケニア茶、そしてレモングラスのブレンドティーでございます。
こう記しますと、シンプルな作りに思えますが、百合野のこだわりが随所に詰まっております。

まず、デカフェのセイロンは近年によって確立されました超臨界二酸化炭素抽出という方法でカフェインを抽出し除去しております。(こちらは過去の日誌にて百合野自身が眠り姫の紹介の際にも記しております。)
超臨界二酸化炭素抽出とは簡単に申しますと、容器に茶葉と二酸化炭素を容れ、これに対して温度と圧力をかけて臨界状態にします。
すると臨界状態の二酸化炭素は気体と液体の特性を合わせもち、香りや風味を損なう事なくカフェインだけを抽出し除去出来るのです。

また、昔の方法でありました薬品を用いたカフェイン除去とは違い、二酸化炭素は人体には無害であり、体にも優しく、再利用できる為、環境にも優しい素晴らしい方法なのでございます。

そしてピーチフレーバーの着香でございます。

普通、紅茶の着香というものはオイルを使用する事が多いのですが、百合野はより香りの優れた桃のエキスの使用を選びました。
眠り姫を淹れてみますと桃の弱くはなく強すぎない自然で優しい香りがいたします。
そしてデカフェのケニア茶によって更なるコクをプラス。
桃の甘い香りとケニア茶のコクをレモングラスが爽やかにまとめ仕上げる、眠り姫とはそんな百合野こだわりの品でございます。

おすすめの召し上がり方はホットでもアイスでもストレートでございます。
眠り姫の持つ芳香はアイスでは柔らかく、ホットならより強く香ります。また、ミルクと合わせても香りを失うことは無く、ケニア茶のコクと合わせその調和は素晴らしいものとなります。

ここでお知らせでございます。
この度ギフトショップにて、少々暑さの残るこの時期にぴったりのお品、眠り姫のジュレが登場でございます。
眠り姫の魅力を損なう事なく喉越しの良いジュレに仕立てあげました。
眠り姫の優しさと爽やかもそのままに閉じ込めました百合野も太鼓判の品を是非、手に取っていただければ幸いでございます。

 

眠り姫は貴方にとってどの様な紅茶でございますか?

百合野「それは私にとって、妹の様な紅茶でございます。」

リリスと同様に自らの足で眠り姫の材料を求めた百合野にとって大事な妹と呼べるほどの存在なのかも知れませんね。

 

眠り姫の名前の由来でございます。

眠り姫はカフェインレスでございますので、カフェインが苦手なお嬢様もお楽しみいただけると同時にお嬢様に健やかな眠りと良い夢を提供するナイトキャップティーでもございます。

百合野「また、眠り姫の英名〝Sleeping Beauty〟の響きも気に入っております。」

隈川「Princess Water Lily(伊織の姫睡蓮の英名)は従姉妹(いとこ)でございます。」
と、隣で百合野へのインタビューを聞いていた隈川が申しておりました。
その隈川もりんごの紅茶ネーヴェ(イタリア語で雪)で白雪姫をモチーフとしておりますので差し詰め再従姉妹(はとこ)という所でございましょうか?

 

このお話を聞いて、ひとたびおやすみの前に眠り姫を召し上がれば、夢の中に百合野を始め、伊織や隈川が現れ、

騒がしくなりそうでございますね。

ですがたまにはそんな夢も良いではありませんか。

それでは良い夢を。

我らの姫君様。

次回はどのフットマンティーにいたしましょう?
それでは次回まで、
ごきげんよう!お嬢様、お坊っちゃま。