敬愛せしお嬢様へ
気候が不安定ながら、日々真夏の欠片を感じる、そんな春と夏の狭間でございますが
いかがお過ごしでございますか?
時任は時勢も変わり、様子を見ながらも休日のお散歩も叶うようになり
時折、カップ探しや良いバー探しなどにも出掛けさせて頂いております。
バー探しではありませんが、先日無性にスコーンを頂きたくなり、
とあるシンプルながら評判の良い喫茶店へとお邪魔して参りました。
華美さはないものの落ち着いた趣味の良い内装の中、
念願のスコーンとクリームに季節のジャムを頂き、ファインダージリンと共にのんびりと過ごしておりましたが、
朝食を抜いておりましたものでいささかスコーンだけでは足りず、
朝食兼昼食を頂こうかとお品書きと睨めっこしておりましたところ
「キューカンバーサンド」の一文を発見いたしました。
キューカンバーサンド‥
当家のアンナマリアにもよく含まれておりますが、英国では非常にポピュラーな軽食でございます。
ただ、これ単体でメニューを成している例は珍しく、いかにも古式ゆかしい英国風喫茶にふさわしいと感じ入りまして、こちらをオーダーさせて頂きました。
ティーカップを傾けて待つことしばし
お給仕役にお持ち頂いた「キューカンバーサンド」は思いのほか大皿で
なかなか大きなサイズのサンドイッチが並んでおりました。
なんと8切れ。
そして、オールきゅうり。
ほのかにソースとスパイスだけを効かせていて、とても美味しいのですが
他に余分な素材はなく真面目にオールきゅうり。
そして、サラダ付き。
サラダの意味を考えつつ、ほのかに甘味すら感じる美味しいきゅうりをたっぷりと頂きました。
米国人が英国人を罵るスラングに、「locust(バッタ)」というのが在るそうですが
ちょっと意味がわかった気が致します。
いや、きゅうりの瑞々しさに、ソースとスパイスのバランスも抜群ですごく美味しかったです。
きっと、またオーダーします。
ただ
嗚呼、ただひとつ
付け合わせのサラダまできゅうりなのは何でなん‥‥。