11月

ご機嫌麗しゅうございますお嬢様。
山岡でございます。

今年も残すところ後2ヶ月でございますね。
相変わらず時の流れの早さを感じつつも、
私個人としては昨年に比べるとゆるやかに過ぎ去った一年に感じてございます。

今年はお屋敷の門を叩いてくれる若人が沢山居てくれたので、新しい風を吹かせてくれている感覚をひしひしと感じております。

私も今年の冬で3年と、お屋敷全体の歴史から見るとまだまだ未熟ではございますが、
その日フットマンとして仕えている使用人を見渡すと私が一番歴が長い者になる瞬間なども時折ございまして、
恐れ多くも先輩として良い背中を見せなくてはという義務感に駆られながら背筋が伸びる思いなども致しました。

こうやって常に新しい風を感じ続けながらお屋敷の歴史を20年、25年と続けていけたら、また、その歴史に一端の使用人として携わらせて頂けたらと思いながら日々の給仕に臨んでおります。

今この瞬間は二度と帰ってこないのですね。
決して1秒たりとも過去を取り戻すことは出来ないのでございます。
時を重ね歳を重ね、段々情緒的になる瞬間も増えてまいりました。

残されている時間は有限です。
お嬢様方はいつも屈託の無い笑顔を向けて下さいますから、何も心配しておりませんが、
皆振り返った時に後悔のない過ごし方をしたいものでございますね。

なんだかまとまりの無い日誌になってしまいました。
またお屋敷で温かい紅茶と美味しいお食事をご用意してお待ちしております。

それでは。