黄昏

美しい湖 ゴールデンポンドの別荘に、ひと夏を過ごすためにノーマン(石田圭祐)、エセル(高橋恵子)夫婦。

老いへの焦りを抱えるノーマンを、妻エセルが優しく包み込み、励ます。

そこへ郵便配達員チャーリー(石橋徹郎)が、夫妻の娘チェルシー(瀬奈じゅん)からの手紙を届けに来る。

ノーマン80歳の誕生日に、チェルシーがパートナーのビル(松村雄基)と子供のビリーを連れて帰ってくるという手紙だ。

お互いに素直になれずぶつかり合う、ノーマンとチェルシー。

少しぎこちないが、ノーマンとビリー(林 蓮音)がゴールデンポンドの生活の中で少しずつ変わってゆく。

傷つけ合い、労わり合いながらも、家族の絆を探す、ひと夏の物語。

作 アーネスト・トンプソン 演出 鵜山 仁

 

三度の再演、配役もほとんど前回と同じビリー・レイだけが林蓮音にかわりました。

現在21歳ですが13才の少年を演じる姿は、考えなければ全く自然です、本当に少年に見えます。

役者ってすごいなとも思います。

何の大きな事件も起きない物語ですが、本当に素晴らしい作品です。

ノーマン、エセルの夫婦を見ていますと、藤堂も年齢が近いせいかしみじみとした思いで観させて頂きました。

もう一度観たいなと心から思いました。

愛情の溢れた会話になんだかほっとし、自分を見直す事が出来ました。

静かに流れてゆく時が本当に愛しい気がします。

見終わった後劇場を後にした時、大切な家族、恋人、友人にすごく会いたくなるような、ほっこりした気分にさせてくれるお芝居でした。

お嬢様、お坊ちゃま、奥様、旦那様、是非是非機会がございましたら観て下さいませ。

心を豊かに、人とのつながりが楽しくしてくれます。

では次回はまた宝塚のお話をさせて頂きます。

藤堂でした。