視野

おや、お嬢様。
ご機嫌麗しゅうございます、隈川でございます。

何をギョッとされているのですか。
ああ、この体勢でございますか。
左様でございます。私は今、ご覧の通り床にへばりついているのでございます。

あ、もちろんへばりつく前に徹底的に床を磨いたうえでマットを敷いておりますのでご安心くださいませ。
気になるのはそこではない?
なぜそんなことをしているのか、でございますか。

実は私ときどき絵を描くのですが、構図を決めるときにアイレベルという視点の高さを決める必要があるのです。それを床スレスレにするとどのような景色が見えるのか実際に試していたのです。

日常的に過ごしている場所でも視点を変えると全く見たことのない世界に感じるものですね。

やはり何事も他面的に様々な角度で物事を捉えるのは大切でございますね。

虫さんの世界はこんな感じなのでしょうかね。見聞が広まります。

…え?
見聞を広める前に他人の目をもう少し気にしなさい??

なるほど、確かに。

隈川