世界各国で新酒が解禁となり、ワイン好きには堪らぬ季節です。
ビンテージ情報を拝見する度、心が躍る能見でございます。
お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。
師走の気配を感じ、一日が日に日に短く感じられるこの頃です。
お嬢様は時を忘れるくらい何かに没頭することはございますか。
朝に始めたことを気がつけば日が沈むまで、深夜まで続けていた、
時計を見ることすら忘れて、一つのことに集中するようなご体験。
大人になると社会勉強が始まり、色々な荒波が襲い掛かります。
朝早くにご起床なさって、夜遅くまでスケジュールが詰め詰め。
そのようなご多忙の中で何かひとつの事象に注力することは、
幼少の頃に比べますと随分敷居の高いことのように感じます。
私にとりましては、直筆云々はさておき文字を書くという行動が、
時を忘れることへのきっかけなのだと、最近気付かされました。
伊織のように流れるような美しい文章を書くことは叶いません。
しかし、下手でも記し続けることが性に合っているとも感じます。
数年に掛けて日々のたわいもないことを書き記す直筆の日記も、
月に一度お書きしておりますこちらの日誌も左様でございます。
昨年の今頃に発刊させていただきましたワインダイアリーも、
執筆中はその感覚を持つに近しいかもしれませんね。
自分の考えや言動を文字に起こして未来へ残すことは、
過去の心境を客観的に捉え、整えることにも繋がります。
当時の感情がつい溢れてきて、それゆえに時間を忘れてしまう。
そのような情緒的な側面もきっと大きいのでしょう。
お嬢様にとりましても夢中になれるご趣味がございましたら、
是非、ご教授いただけますと嬉しゅうございます。
おやすみなさいませ、お嬢様。
能見