秋の夜長の贅沢な過ごし方を模索し続けること、早十年。
とどのつまりのいきつく先は、毎年変わらずな能見でございます。
お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。
ようやくお屋敷でもお酒のご提供が叶いまして嬉しい限りです。
お嬢様がワインをカクテルを嗜んでいるお姿を拝見できますのも、
感無量と申しましょうか、ソムリエ冥利に尽きるというものです。
厨房ではディナーの再開を、シェフ青木も大層喜んでおりました。
少しずつ、今までの日常に帰ってきているような実感がございます。
目標はボジョレー・ヌーヴォー・カウントダウンパーティーの開催。
来年こそは樽のボジョレーをまた開栓したいと目論んでおります。
その他、カクテルコンペティションも皆で参加しとうございますね。
お屋敷を取り巻く環境が時世により大きく変容していった2021年。
昨年の今頃、一年後はすっかり事態は落ち着いているものだと、
そう思っておりましたが、中々順調には事は運ばないものです。
一年間様々な経験をしましたが、お嬢様とお屋敷が今も存在している。
その事実が、私が使用人であり続けられる理由でございますし、
お嬢様と紡いで参った日々に感謝と尊さを感じざるを得ません。
まずはお嬢様へのひとつ目の恩返しといたしまして、
今月のハロウィン、骨身を惜しまず尽くしましょう。
能見