梅雨には、この一本を。

司馬でございます。皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

六月に入り、季節は梅雨を迎えております。うんざりするような曇り空と、長雨が続いております。お気持ちは沈んでいらっしゃいませんか。

ほんの気晴らしにでもなれればよろしいのですが、この時節におすすめの映画のお話でも致しましょう。

「雨に唄えば」
1952年制作のミュージカル映画でございます。おそらく、ミュージカル映画の中でも10本の指に入る作品でございますね。

主演のジーン・ケリー、わきを固めるドナルド・オコナーの超人的なダンスも見どころの一つです。アスリートのような体格を、縦横無尽に駆使し、その躍動ぶりは、観客の心を極限まで高揚させます。お話は古典的(ありふれた)なラブロマンスかもしれませんが、王道的な良さに満ちております。往年のハリウッド風俗を知るにも、うってつけでございますよ。

そして、“You Were Meant to Me”や“Make’Em Laugh”、“Good Morning”など、絢爛豪華なナンバーに目が釘づけになったところで、満を持して登場するのは名曲、“Singing In The Rain”。土砂降りの中で歌い踊る、ジーン・ケリーの笑顔は、ほとばしるような生の喜びをいっぱいに表現しています。

現代の目で見ますと、古めかしく感じられるかもしれませんが、ハリウッドの豊かな時代を象徴する映画として、後世に残し続けるべき傑作でございましょう。

I’m singing in the rain.Just singing in the rain.What a glorious feelin’I’m happy again.

憂鬱な雨が続きますが、傘の中、お嬢様方が笑顔でこの一節を口ずさんでいることを、司馬は心より願っております。