吐息も白く空に消えゆき、凍てつく冬の寒さが垣間見えるこの頃。
2020年の終わりが見え、少しの焦燥感の中にいる能見でございます。
お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。
近日は特に本邸を後にしながら、追想に耽ることが多くございます。
お屋敷の使用人として仕え始めまして6年半という月日が経ちました。
立ち止まり振り返ってみましても、瞬く間だったと感じてございます。
その日々の中には、大小なりとも様々な挑戦がございました。
執務机に置かれた日記帳を見ますと、その頃の思い出が溢れ出て参ります。
夢中になれたこと、後悔していること、苦しかったこと、楽しかったこと。
様々な感情が記録と共に思い出されます。しかし、全てに言えることは。
お嬢様との毎日が、常に色鮮やかであった、ということ。
お嬢様の毎日に、私は彩りを添えることはできておりましたでしょうか。
移ろいゆく季節の中でも変わらないもの。
お屋敷の中で長らくお嬢様のお傍でお仕えをしながら、
私の使用人としての居場所をずっとずっと、探し求めておりました。
ようやく、ひとつの答えと言えるべきものに出会えた。
そんな気がいたします。
今宵、大旦那様から新たな光り輝く宝石を授かりました。
これからは『ダイヤモンド』と共に使用人として歩んでまいります。
わたくし能見は、本日2020年12月1日をもちまして、
ハウススチュワードに就任いたしましたことをご報告させていただきます。
これまでお嬢様と共に歩んだ毎日に感謝を込めて。
そして、これからもたくさんの季節をご一緒いたしましょう。
能見