ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
香川でございます。
朝晩はだいぶ冷えるようになりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
あらためて9月を振り返りますと、利き酒のセットやお屋敷のお外での舞台、金澤とのエクストラティーにSAKEハイボールと、様々なことに挑戦させて頂けたひと月でございました。
中でも初めてのことには何かと戸惑いもございましたが、せっかくきき酒師となったのだからということで、色々とチャンスを下さった大旦那様や、クールジャパン文化の一つ、日本の誇る醸造酒の世界にご興味を持ってくださったお嬢様方にあらためて感謝申し上げます。
わたくし自身、知識を得てからの方がお酒が美味しく感じておりまして、飲む専門のノムリエ!などと言っていた頃の自分が、
もっと早く色々と知っておけばなぁと、ちょっと損をしていたような気になってございます。
その分はもちろんこれから取り戻して参りますけれども、
え?
どうやって?でございますか?
そ、それは毎晩少しずつ…。
はい!少しずつでございます。
ともかく、お嬢様方にも同じような思いをしていただきたくはないので、得たものは色々とお伝えして行ければと存じます。
その一つと致しまして、10月からは月替わりで日本酒を一品ご用意させて頂くこととなりました。
神無月にご用意致しましたのは、出雲の国島根県から『玉鋼』でございます。
刃ものや刀剣などにご興味をお持ちの方でございましたら、日本刀の原料として欠かせぬものとご認識されていらっしゃるかもしれません。
そんな名を受けし一品は、酒質もよく磨かれた銘酒でございます。
しかも今回大旦那様からお許し頂き、極上品の斗瓶囲いをご用意させて頂けることとなりました。
お酒造りはお米を発酵させてできてきた液体のもろみを、通常は布袋にいれ、そこに圧力をかけて搾るのでございますが、
斗瓶囲い(とびんがこい)とは袋から自重でしたたりおちる分だけを瓶に集めたものでございまして、圧力をかけていない分余計な雑味などが含まれない高級品でございます。
SAKE dayは一日限りでございましたが、今回は毎日お楽しみ頂けるものでございます。
社会勉強でご都合がつかなかったお嬢様方も、この機会に是非味わってみてくださいませ。
お肉お魚問わず合わせられるのも日本酒の特徴の一つでございます。
お嬢様の食卓にまた一つ豊かさを加えていただければ嬉しゅうございます。
それではティーサロンにて、お帰りをお待ちしておりますね。