司馬でございます。皆様、お変わりございませんか?
もはや初夏。素晴らしい五月の陽気で、そよぐ風にも新緑の香りを感じます。
出不精を自任する私でございますが、この時季は思わずどこかへ出かけたくなるものです。お嬢様方はいかがでございますか?
とはいうものの、先月は満足にお仕えしておりませんので、今月こそ、お嬢様方のお役に立てればと心の底から願っております。お嬢様方に使用人たちの元気な顔をお見せできれば、本当にうれしいのですが。
この日誌を認めている時点で、ごくごくわずかながら収束の気配が見受けられますが、果たして今月のお屋敷はどうなることでございましょう。
このように大変な時であろうとも、使用人たちはお嬢様方を退屈させまいと、様々な文章を綴ってまいりました。皆、ユーモアたっぷりの巧みな筆で、使用人の立場でありながらも、私もこっそり楽しんでおりました。
身分をわきまえぬお願いと重々承知でございますが、スワロウテイルでの再会の暁には、あらためて彼らに労いの言葉などかけてやってくださいませ。
では、お嬢様方。初夏といえども、時に夜分に肌寒さも感じることもございます。ひときわご自愛なさいまして、どうぞ元気にお過ごしくださいませ。