ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。隈川でございます。
数ヶ月前、私の部屋にサボテンがやってきました。名前はエリオカクタスのエリオくん。
どうやら調べてみましたところサボテンは水やりの頻度が季節により異なるようで、春に差し掛かったこの頃では、ほんの少し彼(?)と向き合う機会が増えました。
よく、植物に話しかけると良い影響があるという話を耳にしますので、水をやりながら人と接するのと同じように話しかけるようにしております。
『花をつけようと焦らないでくださいね』
『美しい花は確かに素敵ですが、それが貴方の全てではありません。そのままの貴方も充分に素晴らしいのですよ』
『私たち人間も目に見える成功だけが人生の全てではありません。幸せの形は自分自身で選ぶものです』
『もしも貴方が萎れても枯れても、私は見捨てたりしません。最後まで側にいますから』
『…って、あ、デリカシーのない例え話でしたか。もちろん、そんなことにならないようにお世話も頑張ります!それにしてもこの窓辺、日当たりが今ひとつなんですよね。そういえば、貴方の花言葉ってー…』
エリオくん、私の一方的な話が長くてうんざりしてるんじゃないか心配になってきました。
「この人間、サボテンに話しかけ過ぎでしょ…人間の友達いないんだな」なんて思われているかもしれません。
花が咲いても咲かなくても良いので、健やかな気持ちで育ってくれたらと願うばかりでございます。
隈川