椎名でございます。
お嬢様は物探しはお得意ですか?
生活する中で物を見失ってしまう、ということはよくある事でございますが意外とそういう時に限って探しても出てこないものです。
当家の使用人たちもよく物をなくしたと騒いでは、見つからず途方に暮れていたりもするのですが、
そういった者たちの失せ物をすんなり見つけ出してしまっては驚かれたりしております。
当然、超能力でもなんでもなく、あるコツに従って探し当てているのですが、
本日は私流の物探しのコツを少しご紹介させて頂ければと存じます。
ポイントは大きく分けて3つ
1、記憶(行動)の追体験
2、自身(または第三者)の行動のクセの把握
3、予想外の軌道
でございましょうか。
私の場合は、物をなくしたと自覚した時点から記憶を頼りに自身の行動を遡るようにしております。
立ち寄った場所や、触れたもの。
誰と会話をし、そこで何を思ったかなどなど。
大体はこの段階で「あ、そういえば隈川君と話をしたときに手に持っていたメモをロッカーの上に置いた気がするぞ!?」
といった具合に思い出すことで解決いたします。
しかし無自覚の行動があった場合は、思いもよらない所に置いてしまい闇雲に・・・などという事もございましょうから、
その解決策として私の場合は、行動に一定の法則を定めると共に、予め自分の癖を把握しておくようにしております。
(例えば、鍵は必ず右ポケットに入れるなど)
前もって自分の行動の特性が把握できていると、無自覚の失せ物にも意外と対策が取れます。
困るのは、置き忘れたりした物が何かしらの外的要因で移動してしまった場合です。
例えば、誰かがぶつかって落ちてしまったなどでしょうか?
これは発見にも相応に時間がかかります。
そういった局面では、「例えばこの場所に物を置き忘れたら」などと想定して、その場合の落下の予想を立ててみたりと、
色々なパターンで検証しながら探してゆきます。
気を付けねばならないのが「思い込み」の排除です。
これは検索範囲を極端に制限してしまいますのでいつまでたっても発見出来ないなんて事になってしまいます。
いかがでしょうか。
もちろん第三者の物探しにも応用が出来ます。
親しく、癖などが把握できている人物の物などは発見も早いです。
例えば先日あった出来事ですと・・・
・フットマンH君の燕尾服がなくなった。
・どうやら昨日ハンガーにかけた際に自身のクロークにしまわず、クローク扉に引っ掛けたままにしていたとの事。
・ここで推理。「クロークは右開きなので、開ける際に邪魔にならないように自分の扉ではなく、左隣の扉に掛けたのでは?」
・因みに隣のクロークはフットマンY君
・ここでまた推理。「きっとY君の事だから自分の上着と勘違いし、詳しく状態を確認せずに思い込みで自分のクロークにしまった可能性が高い」
・Y君のクロークを確認すると、見事H君の燕尾服がしまわれていた。
※登場人物は架空の使用人です。
といった事柄がありました。
慌てて、闇雲に探すよりも一度冷静に思考したほうが良い結果になるといえましょう。
それでは本日はこれにて。
多少の参考になりましたならば幸いでございます。