はやく来い

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木にございます。

暦の上では立春が過ぎたなどと申しまして。
確かに暖かさを感じる時もありまして、
そのようだと首肯しかけるのですが
頷く首の挙動よりも
早く寒さは戻ってきてしまうもので、
まだまだ春満開とはいかないものだと
身を縮めて日々を過ごしております。

寒さというのは如何ともしがたいもの。
とはいえ暑さも似たようなものです。
結局は中庸がいいのが世の理だから、
あまりふり幅をつけるのも如何ものか。
あてどない説教を独り言ちるばかりで、解決は致しません。
何も言わずとも待てば来るのも理解できますが、
ぱっとしないおみくじの文言の様で、
いいのか悪いのかよく分からなくなりますね。
善しも悪しもないのは勿論ですが、
とにもかくにも、冬よ去れ。
そればかりが頭をよぎるところです。

そんな私は炬燵の中におります。
暖かさに包まれていると、
ここが私の居場所なのだなと強く思います。
布団に対しても同じ感覚を抱くことが多いです。
炬燵は猫のものではなく、私のものです。
炬燵ペンギンです。
ペンギンは炬燵の中にいるのか?
でもそれは猫が箱に入るのかと同じ問題です。
開けてみるまで分からない訳ですから、
考えることは自由です。
空想と妄想に虚実が入り混じり、
思考実験と言葉遊びを繰り返し、
眠くなれば寝るくらいがいいなと思います。

冬眠には少し遅いですが、
冬の終わりの一か月くらいは眠っていれば、
起きた時にはいい気分かも知れませんね。
起きるころには良き頃勿れ。
無理をせず明日のことは明日に期待いたしましょう。
おやすみなさいませ。

才木