イト

ご機嫌麗しゅうございます、隈川でございます。

運命の赤い糸…
縁結び…
絆の綻び…

関係を糸に喩えた言葉をよく耳にします。なるほど、確かにと思わされますね。

私は常々、人と人との関係は編み物にも似ているのではないかと存じます。

一箇所、最初の結びを作るのは簡単です。

しかし、様々な場面で増えていく糸が絡まってしまわないように重ねていくためには、どちらかの糸を下に潜らせる必要があります。

特に隙間のない強固な繋がりを築くには、丁寧な思いやりを持って順番に互いを尊重する必要があるのではないでしょうか。

ときには間違い、ほつれてしまうこともあるかもしれませんが、それをどこまで気にするかはその方次第。

ほつれを直すためには一度どこが絡まっているのかを解明し、ほどき、編み直さなくてはなりません。

それには手間や時間がかかる上、もしかしたら同じ形には編み直せないかもしれません。

それでも、諦めず編み続けた先には元の形より素敵な仕上がりが待っている可能性もございます。

逆に少しのほつれくらい気にしない、というのもある種の解決策でしょう。
私はわりとそういうタイプです。

一番悲しいのは小さなほつれや綻びが気になって、編むことを諦めてしまうこと、糸を切ってしまうこと。

例えみっともなくほつれ、穴が空いたセーターであったとしても裸でいるよりはよほど温かいはずのに。
(もちろん、自身を締め付け苦しめるような不要な糸に関しては躊躇わず切ってしまうこともときには大切ですが)

いつでも相手の「意図」を正しく感じ取りたいものでございますね。

隈川