敬愛せしお嬢様、お坊っちゃまへ
新年明けましておめでとうございます。
本年も使用人一同、お嬢様、お坊っちゃま方に僅かなりとも上質のお寛ぎをお届けできますよう、微力を尽くさせて頂きます。
当サロンも気がつけば14年目。
長らくのご愛顧に感謝つきぬ限りでございます。
これだけの月日の中、我々にも世俗にも様々な変化がございました。
伴って、お屋敷が初めて門を開いた日に存ったであろう志と、現在の使用人たちの胸中にございます志もまた、良くも悪くも異なるところ多いことと思います。
さりとて。
形が違えど、時勢が違えど、使用人のなすべきことは、常に唯一つにございます。
お嬢様、お坊っちゃまのお役に立つこと。
それが笑顔を招く歌であれど、美味しいお酒であれど、恙無き給仕であれど、どのような形であってもその根底は其処にしか御座いません。
今年もまた、ヨチヨチと歩む稚拙な使用人たちの姿をお見せしてしまうかもしれませんが。
御身のために懸命に歩むその姿、見守り続けて頂ければ幸いにございます。
本年もどうか、よろしくお願い致します。