この一言がわたくしの紅茶ネームの決め手になりました。
彼はわたくしとは真逆の使用人だと感じておりました。
話す機会もありませんでした。
一緒に紅茶の勉強をするまでは。
コミュニケーションを取れる様になってからは、話す事で知る事も沢山ございました。
彼は本当に頭の回転が良く、
一番感嘆した部分は
『要は◯◯だよね』
と、一言で話の核心をつける所でございます。
彼自身が自分の紅茶の事を
『紅茶とは名ばかりのコーヒーでございます』
と言っていて驚いた事を覚えております。
その味がわたくしは本当に好きでして、
お屋敷の中で一番これを飲んでおりました。
彼は人の上に立つ素質も合わせ持っておりました。
人を惹きつける魅力もございました。
その分の何かがあったのでしょうか。
わたくしは何か力になれたのでしょうか?
力になれなかった事が申し訳なくも感じます。
あまり笑ってはくれませんでしたが、
あなたの笑顔、好きでしたよ。
影山