不香の花

お嬢様、お坊っちゃま、ご機嫌いかがでございましょう、金澤でございます。
冬真っ只中、寒い日が続きますのでどうぞお体には十分お気をつけ下さいませ。

さてタイトルにございます「不香の花」(ふきょうのはな)、2月5日にご用意させて頂きますエクストラティーの名でございます。
今回のエクストラティーは伊織主導の元、アシスタントに金澤が務めさせて頂きます。
私はこの伊織の考えた不香の花という名前、感動するくらい気に入りました、さすが伊織でございます、美しい日本語をよく知っています。
「不香の花」は雪のこと、雪は香りの無い美しい花…。

それは半年も前の事だった…
その日、私はマスターオブサーヴァンツホールの務めにつき、紅茶係は伊織さんでした。
伊織さんが何やら見慣れぬお茶を淹れている、聞くと金沢の和紅茶だという、もともと黒崎くんが見つけて美味しいのでと持ってきてくれたお茶らしい
「いただきます」
「美味しい!優しい甘味もありすっきりの中にも深みがある」
とっても日本らしい優雅さのあるお茶でした。

そこで突然伊織さんが言い出した。
伊織「このお茶を使ってエクストラティーを作ってみたい」
何かひらめいたようだ
伊織「時は冬辺りに、金澤さん一緒にどう?」
!!
これまた突然のお誘いに驚く
お屋敷のエクストラティーの長い歴史の中で伊織さんと組んだ事は今まで一度もなかった。
今後も無いんだろうと、少し寂しかった…

だがしかし、突然の直々のお誘いである!

金澤(表向)「なるほどそうですねーどうしようかなー」
金澤(内心)「断る理由はまったくない」
伊織「ぜひぜひ金沢のお茶ですし」
金澤(表向)「そこかい!」
伊織「ぜひぜひ」
金澤(表向)「んーじゃあ仕方ない、いいですよ」
金澤(内心)「どうぞどうぞ伊織さんのエクストラの為なら馬車馬のように働きます!」

といった半年前のある日でした。

そして冬に…
お茶自体は伊織さんがレシピも完成させたのですが、そこにちょっとエンタメ要素を加えたい、伊織さんと話し合い、冬の金沢の情景といえば兼六園の雪吊りが思い浮かぶとなった。
ここは私の出番である
スワロウテイル工作&DIY部(非公認)の部長としては得意分野である。

ティーサロンに居ながらも金沢の情景を思い浮かべてもらうには、金沢の雪吊りを持って来ちゃえばいいのである。

雪吊りのミニジオラマを作ります。
いろいろ材料を用意しました、全部ではないですが、足りない物は追々と。

土台を作っていきます。
ジオラマは遠い昔に作って以来、手探りで進めていきます。

いきなり作業が進みましたが、途中の写真を撮り忘れました。七分出来たところです。

この日誌を書いている時点でまだ写真の状態ですが、当日までには完成させて、伊織の押す紅茶ワゴンの上に乗せておきます。
手にとってご覧いただけるようにしておきますので、宜しければ雪吊りの情景と共にお茶を楽しんで下さいませ。

ティーブレイクをしながら…
『 あの頃へ 』♪