藤堂執事

「どうぞ」

「おかえりなさいまーせ」

そんな優しい声で出迎える藤堂執事の姿勢。

お屋敷の門を叩いた時、藤堂執事の背中に憧れておりました。
どんな時も柔和に丁寧に…

そんな使用人になりたい…と。

今それが出来ているかと自問自答いたしますと。
やるべき事に追われている自分自身を鑑み不甲斐なく感じます。

藤堂執事と一緒にお食事をする機会もあり、日々顔を合わせると忘れてしまいがちになりますが
お屋敷のお勤めの中、あの姿勢を維持している事は本当に簡単な事ではなく、お嬢様全員に優しさを降り注ぐことができる事に尊敬の念を覚えます。

藤堂執事がいてくださるこの時間に以前よりも尊さを感じます。

今度藤堂執事の大好きな日本酒でもそっとプレゼントしておきましょう。