落語で死後の世界を舞台にした作品でございます。星組メンバーが繰り広げる純愛冒険物語で「あの世」もこんなに楽しいのかなと錯覚を起こす抱腹絶倒の落語ミュージカルです。演出は谷正純です。
この世で結ばれることのなかった大阪の両替商の若旦那康次郎(紅ゆずる)と大阪の菓子屋「松月堂」のお嬢さんお澄(綺咲愛里)の二人が恋煩いの末「あの世」に来てしまい「この世」で結ばれないなら「あの世」で結ばれようと道中を繰り広げます。米問屋の若主人、手伝、貧乏神等多くの仲間と出会い賑やかなものになります。さて康次郎、お澄の恋時は如何に…。
が簡単なストーリーです。特筆すべきに、紅ゆずる。星・雪・花・空・月と5組ありますがこの役は何と申しましても関西弁が得意で流暢なのは彼女がトップで、2番手の頃から三枚目要素を持っていて1地番ぴったりだと思います。美しいのに三枚目が出来る紅ゆずるは宝塚にとって貴重な存在です。綺咲愛里とのトップコンビも回を重ねて充実してきました。
宝塚の和物は何と申しましても幕開きの華やかさです。今回も第1場の夢幻の場面は桜若衆と美女たちが華やかに舞い踊る宝塚ならではの豪華な一幕で大変満足できます。礼真琴も米問屋「寿屋」の若主人役を楽しく見せてれます。とにかく華やかで楽しいミュージカルです。
ショーのキラールージュの「Killer」は「素晴らしい」「格好良い」等を意味する英語の俗語で紅色がテーマカラーのショーです。華やかでゴージャスな舞台で紅ゆずるの多彩な変化が見られる楽しいショーでございます。
宝塚ファンのお嬢様も、宝塚に興味があるお嬢様も、是非ご覧下さいませ。
藤堂でした。