日常その2

「お嬢様方ご存知でございますか、桐島は水瀬の先輩でございます。」

あまりご存知でない方が多く、近頃この事をお嬢様にお伝えいたしますとすごく驚かれます。

その事を本人に伝えるとキャッキャと笑っておりました。

その顔はまだまだ燕尾も着れない無邪気なあの頃のまま、ちょこっと私も懐かしくなりました。

少しばかし時間が空きまして、久々にお屋敷の広場でくつろいでると、フラっと水瀬がやってきました。

なんだか久々に色々話しました

お給仕の合間で話すことは多いのですが、しっかりと腰を据えて話すことなんてあまり無かったので、ちょっと新鮮でむしろ昔なら割と当たり前だったのにと、不思議な感じでした。

お嬢様方の水瀬の印象はいかがでございますか?見た目が怖い?新しい使用人に厳しくしてて怖い?なんかおっきな人?

私が最初の頃に感じたのは、すごく楽しそうにお給仕するなぁと、一見怖そうな見た目から屈託無く笑う姿はすごく魅力的で沢山の豆知識を持っていて気づいたら一緒に笑ってる、お嬢様をたくさん笑顔にさせるすごい奴だなぁと思いました。

もちろん今もそのままなのですが、昔と違い今はファーストフットマンとして後輩に様々指導してる姿や大旦那様からの様々な雑務をこなしてる姿が目立って、あまりそう言った姿は拝見しづらいような気がいたします。

そしてそう言う姿をご存知でないお嬢様はちょっと勿体無いなぁとも思ったりいたします。

もしこれからのご帰宅で水瀬が担当でしたらほんのちょこっと無茶を言ってみてくださいませ、きっとそれが3倍くらいの笑顔とワクワクに変わってお嬢様に降りかかるかと存じます。

そんなそんな、、、今となっては私の1番始めの後輩の話でございました。

それではまたサロン内で、ドア前でお会いいたしましょう。