1Kgの唐辛子を使い切るのにおおよそ6年かかりました。
伊織でございます。
亡き祖父が七味唐辛子のことを「なないろ」と呼んでおりました。
なるほど七種類の材料が使われているから「七色」か、なんとなく情緒のある呼び方だな、でも他で聞いたことはないな、とずっと考えておりましたが、「七種(なないろ)」という呼び方は江戸を中心に存在していたのだそうです。
とはいえ、わたくしは一味唐辛子派です。
七味唐辛子を嫌っているわけではありませんが、単に辛みがほしいだけなら唐辛子100%で十分だと思うだけのことでございます。
ちまちまと買い物するのが面倒なわたくしは、おおよそ6年前、思い切って『唐辛子ホール業務用 1Kg』を注文いたしました。これで思う存分辛い物が食べられるとわくわくして荷の到着を待ったのですが、手元に届いた段ボールを開封した瞬間、それまでの期待に比例するだけの盛大な後悔に襲われることになります。
1kgの唐辛子は……思いの外大きい袋に収まっておりました。まるで中世のお姫様が使う、羽毛たっぷりの枕ほどの大きさです。
それはもう、使っても使っても減りやしません。
ちなみにシェフに聞いてみましたところ、お屋敷の厨房でも唐辛子1Kgは購入しないとのことでした。そんな気がしていました。購入しても100gまでだそうです。
とんだ誤算でございます。厨房が購入する10倍の量をひとりで消費するハメになってしまったのです。
あれから6年。
とうとう使い切りました。
次に購入する際はせめて500gまでにしようと思います。