ご機嫌いかがでございましょう、金澤でございます。
お嬢様、お坊っちゃまにとりまして、実り多い年となりますように今年も仕えてまいります。
さて先日こんな出来事がありましたのでお話を…
その時、私は疲れていた‥
一日中車を走らせ、遠くの地での用事を済ませ、お屋敷方面への帰り道の事だった
時は0時をまわり真っ暗な田舎道を走っていた時、突然強烈な睡魔に襲われた
危険を感じた私は幹線道路から外れ側道のスペースに車を止め休む事にした。
ほんの数十分休むつもりだった、だがその音に起こされ時計を見た時には丑三つ時になっていた。
コンコン コンコン
窓を叩く音に起こされた私は音のする方を見た、
黒い二つの影が窓越しに見える
コンコン コンコン
私は直感的に見てはいけないものを見たと恐怖を覚え「うわーっ!」っと声をあげてしまった
辺りは真っ暗な田舎道、人が居るはずも無く私はパニックになりかけたその時、
「こんばんはー、ちょっといいですかー」
恐怖を感じながら窓の外に目を凝らすと、おまわりさんが二人立っていた。
安堵しながらも寝ぼけた私はおまわりさんに恐怖を覚えつつ窓を開け返事をする
金澤「何でしょう?」
警官「こんばんは、こちらで何を?」
金「ちょっと疲れて休んでたんです」
警「そうですか、こんな時間に県外ナンバーの車が止まっていたのでね、防犯パトロールで声を掛けさせてもらいました」
金「いやはやどうも」
警「お酒は飲んでませんよね?」
金「好きですけど今は飲んでません」
警「最近は物騒な事件も多いのでちょっと車の中を確認させてもらっていいですか?」
金「あ、はい」
もちろん怪しい物など積んでいないので素直に従うのだが、最初に私の姿を見た時からあきらかに怪しまれている
国民の安全を守るおまわりさんから見て第一印象で怪しまれる私っていったい…
この気持ち、時任執事なら分かってくれるであろう…
一通り車内を確認し怪しい物は発見されず、何も無いのはわかっていてもドキドキするものです。
警「カバンの中もいいですか?」
そこまでするのか、と思いつつ隠すようなプライバシーも無いので素直に従う…
財布の中まで確認するという、完全に怪しまれている、職務質問のフルコースだ
その時だった!
警「おお、何だこれは!」
今までの口調と違う荒げた声で私に問いただす
やっぱりあった、見つけたぞと言わんばかりにグイグイと詰め寄られた
カバンから出てきたのは10×8cm四方のアルミパッケージ、片面は透明で乾燥した葉がみえている、ラベルに日本語はなく横文字が書かれている、見た目違法感漂うその現物に私は明らかに動揺してしまった
何で?なぜ?私は何が起こっているのか分からなかった
ああ!冷静に考え思い出した
茶葉だ、前に伊織さんに貰った茶葉をカバンに入れっぱなしにしてたんだ、おどろいた
私はそれが何かをおまわりさんに説明した
金「これは紅茶です」
警「ん?紅茶?」
金「紅茶ですって」
警「ん?」
信用してくれない…
ラベルにはsikkimと書かれている
でも一般的には分からないであろう
私は携帯端末を取り出し、シッキムとはとおまわりさんに説明した
そして、私は東京の東池袋にあるお屋敷で使用人として働き、紅茶を扱う役目である事も
お屋敷のウェブサイトに私の画像でもあれば早いのですが、何せ私は影の使用人なので画像は無く、画像を見ていると伊織さんがいた!
金「この人にもらったんです、このメガネをかけた人が元締めです、逮捕するなら伊織さんを捕まえてください」
苦し紛れに伊織さんを生け贄にしつつ一生懸命説明しました。
結果、全てを理解してくれ無事に無罪放免となりました。
「あぁびっくりした、早く帰ってカレー南蛮でも食べよ」
すっかり目が覚めた私は帰路を急ぐのでした。
FMからは『悲しみは雪のように』♪
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お嬢様、世の中には見かけだけで判断出来ない事は多々あります。
一番怖いのは見かけは良く見えているのですが中身はダークな事、物にもあり人にもあり、事柄にもあります。
お屋敷の外でお勉強される事の多いお嬢様、十分にお気をつけください
心配だなーもう…