薬草などを挽いて薬を作る道具「薬研」。
昨月の日誌にて薬研との出会いに少しばかり触れたわけですが……。
その薬研を用いて作った初めての薬草茶があまりにも無難すぎたと感じたわたくしは、ただのオブジェだと思い込んでいたまさかの材料「サルノコシカケ」に手を伸ばすのでした。
サルノコシカケ。
もちろんこのまま使うわけではありません。
あらかじめ使いやすい大きさにカットされたものがあり、一言説明が添えられておりました。
なるほど。
味や香りに関してはまったく教えてもらえないのですね。
自分で確かめろとの暗示とお見受けいたしました。
やりましょう!
せっかくですから、他の材料も初めてのものを(今度こそ)選んでみましょう。
今回のラインナップは以下の通りです。
・サルノコシカケ
・柿の葉
・ウドの根
・ハトムギ
サルノコシカケの土っぽいイメージに合わせて、茶色い材料を揃えてみました。
え?
ハトムギはまた弱気なチョイスではないか、ですって?
でも潰した時の感触が薬研の醍醐味を味わえるって、説明に書いてありましたよ。
だから混ぜても良いと思います。
ゴリゴリします。
時代劇でゴリゴリやっている姿を見ておりますと、『挽き切る』道具のように思えますが、それだけではなく、『すり潰す』ように使うのも重要なのだそうです。
ですから、前後に動かしながらも、下方向へかける力だけではなく、側面を使って『すり潰す』動作も行います。
が、やっぱり疲れますし、どうせ飲むのはわたくしだけなので、適当に切り上げます。
できました。
手製薬研薬草茶第2弾でございます!
さぁ、サルノコシカケがどんな味がするか試飲してみましょう。
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味や香りの表現は人により様々です。
ですので、わたくしの率直な感想が伝わるかは非常に疑問ですが、そのまま書き記します。
『鹿園で鹿に餌をやっている時の味』
がします。
何を言っているか理解いただけないことは重々承知しておりますが、以下のような印象が広がって参りました。
1.ハトムギ茶の香り
2.しめった土の香り
3.しめった木の皮の香り
4.しめった10㎝くらい掘ったところの土の香り
5.なんとなく獣の香り
以上です。
好みは分かれましょうが、漢方と言われれば効能を期待したくなる香味でございます。
薬研を使った茶づくりとは、貴重な体験でございました。
お屋敷でおいしいお茶をご用意するため、これからも研鑽を積んでまいります。