スワロウテイルの風

金澤「やあ元気かい?」

田「ブルル」

金澤「最近は後輩に任せてるから会うの久しぶりだね」

田「ブルル」

金澤「今日は天気が良いから一緒に散歩にいかないかい?」

田「ヒヒィ~ン!ブルル」

こうして小春日和の午後、田吾作※と散歩に出かけることにしました。
※2014年3月8日の日誌参照

今年の秋は特に短く感じます。
貴重な秋を感じに天気の良い日にはぶらり散歩がおすすめです。

何時も通る裏山の道、荷馬車を引かず身軽な田吾作は軽い足取りでスキップをしているような
山の木々は秋色に染まり爽やかな秋風に揺れています。落葉樹はヒラヒラと冬の準備を始めたようです。

通りから外れ小道を進みます、この先は秘密の場所、林を抜けると視界が開けます。
裏山の中腹にあるこの場所はお屋敷を見渡せる絶好のポイントです!

キラキラと光る湧き水、田吾作が喉を潤しています。
丸太に腰掛け持ってきた水筒を取り出します、しっかり保温されたお茶の香りがフワッと広がりました
いつものお屋敷での香り、すこし冷えた体に温かい紅茶が染み渡ります。

眼下に広がるお屋敷を眺めています
遠くには無限に広がる街
お嬢様はこの広い世界で頑張っておられるのだなと…
お屋敷の風がここから届くかな…

『風が吹いている』♪

しばらく感慨に浸っている側で田吾作はおとなしく私が腰を上げるのを待っていました
気づけば田吾作の影もだいぶ伸びていました

金澤「さあ、寒くなってきたし帰るか」

田「ブルル」

金澤「今日は付き合ってくれてありがとな」

田「ブルルブルル」

金澤「よし!帰ったらビールをご馳走しよう」

田「ブルムン!」

金澤「え!?」

田「ブルル」

金澤「気のせいか?」

田「ヒヒィ~ン ブルル 」

金澤「お前も好きだね~シッポもそうだし俺にそっくりだ!」

田「ヒヒィ~ン プハー!」

お嬢様、馬ってビール好きなんですよ フフ…

~~~~~~
お嬢様のお好きなお茶をお側に
お屋敷の風がそよぐでしょう…

寒い時、お茶はあなたを暖めてくれます。
暑い時、お茶はあなたを涼ましてくれます。
もしあなたが落ち込んでいたら、お茶が元気づけてくれます。
興奮している時は、お茶はあなたを落ち着かせてくれます。
〈ウィリアム・グラッドストーン〉