ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
隈川でございます。
ティーサロンには毎月使用人たちが、それぞれに趣向を凝らして考案する「フットマンアイス」というサイドデザートがございます。
そんなアイスを試食している場面にさり気なく居合わせて、しれっと味見をさせて頂くことが私の毎月の楽しみなのです。
折角なので、そんな味見を活かして、独断でアイスと相性が良さそうな紅茶などをご紹介してみようかと存じます。
…あ、いえ、味見をする大義名分が欲しいとかそういうわけではなく、純粋にアイスの魅力を…ですね、あの、その……。
…
…さて!今月は藤原、有村のアイスでございます。
月の前半では藤原が考案した、『シャンディーガフシャーベット』というカクテルをイメージしたアイスをご用意しております。
爽やかな甘さ、微かなほろ苦さに合わせて、ジンジャーエールのすっきりとした風味。まさに大人のアイスといったところでしょうか。
食後のデザートにぴったりです。
ジョージ2世などの柑橘系のフレーバードティーを合わせたら素敵だろうな、などと想像しながら頂きました。
グルメでビールマニアの藤原ならではのアイスでございますね。
そして、今月の後半には有村のスターゲイジーパイを再現した『星を見上げるアイス』でございます。
最初にこのアイスの話を聞いたとき「スターゲイジーパイのアイス!?やられた、さすが有村さんだ…!!」と驚愕しましたが、スターゲイジーパイをイメージした見た目で、味付けに魚は使われておりませんでした。
甘酸っぱいレモンカード風味の滑らかなアイスクリームと、付け合わせの紅茶クッキーの組み合わせは最高でございます。
ストレートティーで合わせるならばラクシュミーなどの軽くても芯がある紅茶。逆にミルクティーならば柔らかく渋みの少ないディンブラのランカーや、コクや深みを持ちつつ飲み口は落ち着いたフェイランなど。
アイスとクッキーの取り合わせを妨げないものがおススメです。
レモンカード、スターゲイジーパイ。英国の伝統あるものを絡めた、有村らしいお品でございます。
うーん、どちらのアイスも思い出していたらまた食べたくなってきてしまいました。
お嬢様。
限られた期間しか召し上がることのできない、使用人の気持ちが込もったお品。是非、お楽しみくださいませ。
今回ご紹介した紅茶との組み合わせは私個人のほんの一例ですから、ご自身で考えたりアイスの考案者に聞いてみるのも宜しいかと存じます。
そろそろ、私もまた何か新しいアイスでも考えましょうか。
隈川