椎名でございます。
気づけば2017年も4月となりました、そういえば町に目をやれば卒業式の鮮やかな着物姿の女性がいたなぁなどと淡い記憶をたどっております。
そして4月。
新生活のシーズンとなり、初々しい社会人の姿も目にするようになりました。
新しい環境に目を輝かせ、それでいて誇らしいような、でもどこか不安げな表情を見ておりますと自身の当時の姿と重なります。
使用人として務めてからは日々の執務に追われる毎日故、1年の感覚というものがやや乏しく感じることもございますが、気温や街の風景、香りに…そう、お屋敷でのお食事をとりましても季節を感じることができます。
毎年等しく訪れるけれども、一度として同じではない。
そんな新鮮な気持ちをいつまでも大切にしとうございます。
お屋敷のティーサロンも11年を迎えました。
そんな折、私の手元に残っておりました建設途中の当時のティーサロンの映像記録があり、思わず拝見してしまいました。
まだ、サロンも小さく、テーブルの数は8台。
3名のフットマンと1名の執事で管理しておりました頃の映像です。
私もあの頃は執事を兼任しフットマンを務めておりましたが、初めて体験する執務に目を回しながらも他の使用人たちと少しでもお嬢様の為にと心を砕いておりました。
あの頃の使用人も今では大河内と私のみになってしまいましたが、屋敷を旅立った使用人たちは今でも元気にしているようでございます。
一度大河内と計画し同窓会でも開いてみるのも良いかもしれませんね。
当家のティーサロンが開きましたのが3月24日。
春の訪れを感じる陽気でございました。
しかしながら、ここ最近はなんだかやけに気温が低い日が続いております。
実は11年の節目を頭では十分に理解はしてはいるのですが、体がピンと来ていないのは、どうやら温かさが訪れていないからなのでしょう。
調べてみますと過去の平均最低気温より数度低いようですね。
さて、暖かな春の訪れはもう間もなくでしょうか。
気温が温かくなり体があの頃の記憶を思い出すと、そこでようやく11年目を実感するのかもしれません。
それまで楽しみに待っていたいと思います。