2016年3月24日で当ティーサロンが開館10周年を迎えますことを祝い、お嬢様方にお贈りする懐中時計の作成を大旦那様より仰せつかりました。
時計ができるまでの課程を、少しずつご紹介してまいります。
伊織でございます。
サンプル第2弾が到着いたしました。
今回は成形する金属色を決めるため、真鍮色といぶし銀といったふたつの色合いでお作りいただきました。
さらに、前回は上蓋単体、および実寸ではない文字盤のサンプルでしたが、完成品同様に組み立てられた状態での到着でございます。
さてさて、どちらの色味がよろしいでしょうか?
当初、サンプルをお願いする時点では、わたくしや豪徳寺執事は真鍮っぽい方がいいのではと考えていたのですが、改めて実物を手にしてみますと、なかなか銀の色合いも捨てがたいものでございます。
悩ましいですね……。
豪徳寺執事……どちらがよろしいでしょう?
うーん…………
悩みました末……銀色にいたしました。
目立ちすぎず控えめで、お召し物やお荷物などのお色も比較的選ばずにお持ちいただけるかな、というのが理由でございます。
裏面はどうでしょうか?
反射でキレイにご覧いただけないのが申し訳ありませんが、極シンプルな面に刻印が入っております。
また、このサンプルでは反映しておりませんが、一番下にシリアルナンバーが「No.XXXX」という形で入ります
裏面は問題ないようですね。
次はフタを開けて、文字盤も確認いたします。
文字盤も問題ございません。
ただ、全体を見て気になるのは、銀の色合いが前回のサンプルより濃く感じられる点です。
前回の銀色感の方が理想的でした。
磨きの仕上げ具合に関しては前回に順次ていただけるように指示をいたします。
さらに、今回の真鍮、銀ともにバラの花びらの部分表面が削られたようになっております。この点も前回のサンプル同様、きれいなアールを出していただけるようにお伝えしなければなりません。
サンプルだからでしょうが、短針の先がない(?)のも非常に気になります。
せっかくお作りするのですから、憂いのないお品にいたします。
次回のご報告では完成品をご披露できるはずです。
もうしばらくお待ち下さいませ。