椎名執事がとある紅茶の茶葉を持っておりました。
「百合野君、この茶葉、今年の新作なんだけど淹れてみてもらえるかな…?」
はい。喜んで!
私は新しい茶葉には目がないので早速淹れてみました。
こ、これは…
お屋敷に来て以来様々な茶葉と出会いましたが
これまた不思議な茶葉に出会いました。
袋に記載されておりますのは
ある農園のダージリンファーストフラッシュでございました。
が…
ダージリン特有のマスカテルフレーバーがせず、少し枯れたような香り…
そして全く渋味がないのでございます。
さらには見た目…
通常ダージリンの茶葉は比較的、均一に整えられているものが多ございますが
形がまばらでとても軽い茶葉ばかり…
まるで、秋に良く見かける落ち…
いえ、確かに信頼のあるブランドの高級茶葉でございます。
これは何かの間違え…
もう一口…
…
まぁ…あっさり…。
やはり茶葉は生き物でございますね!
なじみのある農園でも採れる年とロットナンバーによって違うものなのでございます。
紅茶の不思議でございました。
決して私の心の奥底で
椎名執事がブランドの袋に詰めかえた裏庭の落ちb…
…私は。
椎名執事を疑った事は、一度もございません。
以上、椎名執事と発見した不思議な紅茶葉のお話でございました。