気候も大分落ち着きまして、絶好のお散歩日和が続いておりますね。
バイクのアイドリングに音楽性を感じ始めた能見でございます。
お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか?
秋になりますと途端に考え事が多くなります。
一年の終焉が近づく故、焦燥に似た感情でありましょうか。
考えども解答が出ないものばかりで、いつも杞憂に終わりまして。
やはり物事に方程式はないのだと思い知らされるのでございます。
思慮が纏まらないとき、能見はバイクの鍵を手に取ります。
外の世界から何かヒントを見つけるためなのでしょうか。
ただ黙々と風に吹かれて忘れようとしているのでしょうか。
残念ながら当の私にもわかりません。
ふと立ち寄ったフラワーショップで面白いものを見つけました。
虹色のはなびらを持つ、サイケデリックな薔薇。
ショーケースの中で異彩を放つその一輪に目を奪われました。
綺麗でしょう?
見事なレインボーですね。
多色の食紅を根から吸い上げて育った薔薇なのですよ。
あぁ、なるほど。
一輪いかがですか?
では、折角ですので。
自室に戻り、能見は図書を手にいたしました。
虹色の薔薇の花言葉は――無限の可能性――
素晴らしい!!
広義積分ではございませんか!!
能見