暑さの和らぐ秋になってまいりました。
今年はどのような秋にしようか迷いに迷う能見でございます。
お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。
大旦那様の許しを得て、能見はミュージカルを観て参りました。
早速ではありますが、芸術の秋を楽しもうという算段でございます。
題目は『100万回生きたねこ』。
誰もが知る有名な絵本が原作でございました。
例に漏れず、私も幼少期に読んだことがございます。
その時には死にゆく猫を可哀想だと思ったものです。
以来、一度も手にしたことのない本だったのですが、
まさかこのような形で再会するとは思いませんでした。
幼き頃に感じていたものが大人になるとちょっと変化する。
そのような体験をさせてくれる素敵な作品でございました。
何がどう変わったのか説明するのは野暮でございますので、
この気持ちは墓まで持っていくことに致しましょう。
今も世界は刻一刻と様変わりをしております。
お嬢様もその変化をひとつひとつ発見してくださいませ。
きっと素敵な視野の広がりを楽しんで頂けると思いますよ……
……え!?
お嬢様、『100万回生きたねこ』をご存知ない!?
……え!?
ご存知でいらっしゃるが、読んだことがない!?
それならば至急、図書室へ参りましょう!!
今からでも遅くはございません!!
原稿用紙はお持ちでいらっしゃいますね!?
素晴らしい世界の端っこを掴みに参りましょう!!
能見