もうすっかり桜は散って葉桜になってしまいましたね。
いかがお過ごしでございますか?
環でございます。
桜と言えば満開に咲き誇る花びらが綺麗なのですが、
この間不思議な体験をいたしました。
ある日、隈川と小さな道を歩いていたら隈川は言いました。
「環さん、桜が綺麗ですよ。」
しかし私は不思議に思ったのです。
隈川と歩いていたのは4月の始め頃、
ポツポツ咲き始めてはいたものの、
まだ見頃ではございませんでした。
私は恐る恐る顔を上げてみたら
案の定桜は咲いておりませんでした。
私は恐くなりずっと下を向いて早く時が過ぎるのを待ちました。
そして、そんな私を隈川は不穏な表情で見つめ、
何度も声をかけておりました。
あの時のことを隈川に話しても確かに咲いていたと答えます。
彼が花びらの代わりに見たものは、
今となっては分からないままでございます。
春は出会いと別れの季節、
そっと誰かが我々に伝えたかったメッセージを
あちこちに散らばめていたりするのかもしれませんね。
それでは。