お嬢様。いかがお過ごしでございますか?
古谷でございます。季節は秋になりましたね。
「読書の秋」
などと世間でも言われておりますが、過ごしやすくなった秋の夜長に読書は最適でございますね。
実は私も興味を抱き、最近読んでおります小説がございまして、本日は私事で恐縮でございますが、ご紹介させて頂きたいと存じます。
植松三十里「リタとマッサン」
現在、NHKの連続テレビ小説で「マッサン」という作品が放送されておりますが、こちらの著書も国産ウイスキーにおける日本屈指の大企業ニッカの創設者であり、日本で初めての国産ウイスキーを作った「マッサン」という愛称で親しまれた竹鶴政孝という人物と、そして政孝を生涯支えた、妻リタの二人の半生を描いた物語でございます。
竹鶴政孝に関します著書は様々出版されておりますが、本日おすすめさせて頂きました、植松三十里「リタとマッサン」は政孝の視点ではなく、妻リタの視点で描かれている点が特徴的でございます。
リタは、婚約者を第一次世界対戦で亡くし、失意のなかにおりました。そんななか、国産ウイスキーを作るという夢の実現のため、イギリスまで学びにきた政孝に惹かれ、遂に国際結婚を決意致します。しかし、家族の猛反対を受け、二人はほぼ駆け落ち同然で日本に渡り、政孝は夢の実現のため、ウイスキー作りに邁進します。
そんな夫、政孝を、献身的に支えた続けたリタの生涯を賭けた夫婦愛がこの作品では色濃く描かれております。
普段からお酒を好んでおられますお嬢様でございましたら、きっとお気に召して頂けるかと存じますし、また、お酒にご興味がない場合でも、こちらの作品は前述のように、リタの視点で描かれた恋愛小説としてお楽しみ頂けるかと存じます。
余談でございますが、物語の前半部はイギリスが舞台でございますので、リタの実家で開かれたティーパーティに政孝を招き、アフタヌーンセットと紅茶を振る舞うシーン等もございます。
カクテルサロンもまもなく開催されますが、お嬢様も、ご興味がございましたら、今宵の秋の夜長はお酒にまつわるリタとマッサンの物語を、お供にハイボールなどを添えてお楽しみ頂ければと存じます。
それでは本日はこの辺りで失礼致します。
古谷