春・花見・さくらもち

司馬でございます。
皆さま、お健やかでいらっしゃいますか?

ようやく暖かくなり、春本番となりました。
なにか心がうきうきとして、早速ながら庭園の桜を見物に行ってまいりました。
もう満開に咲き誇っております。

―花吹雪、とはこの世で一番美しい言葉である―。

と、誰かが語ったということでございますが、大いにうなずけます。
満開の桜から、はらはらと穏やかに、そして時には盛大に散っていく花びらの渦は、可憐で豪奢で、そしてはかなげな印象をどこか与えます。
お花見という風習が古来より脈々と、受け継がれてきたのも、桜のそんな多面的な美に魅了されてのことなのでしょう。

では、そろそろ持参の「桜もち」でもいただくことにしましょうか。
私がまだ小さかったころは、白玉粉の薄焼きで餡をくるんだ、向島・長命寺の桜もちしか存じておりませんでしたが、長じてから、まるでおはぎのような感触の道明時の桜もちも知りました。
皆様はどちらがお好みでございますか?

私の選択は、もちろん「両方たべる」に決まっております。
桜の葉の塩漬けごといただくのは、言うまでもございません。
これに抹茶の一服でもあれば至福このうえないことでございます。

さて、4月ともなれば新生活をスタートされるお方も多くいらっしゃることでしょう。
慣れない環境に戸惑われることもあるかとは存じますが、これも庶民の気苦労を知るための社会勉強でございます。
高貴な身分にお生まれになられた方の義務とお考えになり、どうかご精励くださいませ。

しかしながら、やはりお疲れになりましたら、ただちにスワロウテイルにお戻りになり、おいしい紅茶でリフレッシュをなさってくださいませ。
使用人一同、いつでもご声援をお送りいたします。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。