インドア・トレーニング その2

 さて、随分と間が空いてしまいましたが、前回の続きでございます。
発声前の柔軟体操が終わりましたら、いよいよトレーニングスタートです。

 まずは「呼吸」からです。
…と申しましても、私もかじっている程度でございまして、あくまでも先生からの受け売りでしかありませんのであしからず(笑)

 発声における呼吸と言うと所謂「腹式呼吸」でございます。
これには様々な諸説があると聞きます。「吸うときに腹部が膨らむ様に」であるとか「吐くときに腹部が膨らむ様に」など。
ここでは前者を実践します。
なんでも数百年の歴史あるイタリアンオペラのメソードがそうらしいのです。(先生談)

まず鼻からゆっくりと息を吸い込みます。
この時、肩で息をしないように注意します。
「腹式呼吸」とはいえ、まさか大腸や小腸で呼吸なぞできる訳がありません。
あくまでも肺で呼吸するのです。
では何故「腹式」か?
これは、肺に空気が入ることで、「肺」を支える「横隔膜」が「下に落ちる」事により、その下にある腸が行き場を失い、結果腹部が膨らむからだそうです。
横隔膜のコントロールは呼吸法において、重要なファクターとなります。
ですので、厳密には「落ちる」ではなく、自ら「落とす」。
難しゅうございますね。

 こうして、ゆっくり肺に空気を貯め終わると、今度は吐いていく訳ですが、スグには吐き出さず、一度体の中に留めておきます。
時間にして1~2秒。
そして、歯を閉じその「歯と歯の間」から「つーーー」と一定の量を出していきます。ちょうどタイヤの空気が抜けるような感覚ですね(笑)
そしてこの時、力や勢いに任せるのではなく、前回ストレッチでお話した「緩んだ状態」であることが理想です。

こうする事で、「ロングトーン」等を始めとする、様々な声を出すシーンで安定した音を出すことが出来るんだそうです。

 歌のサビなど、音圧や音程を上げるの部分に入ると「あれ?どうも声の質が変わってしまうなぁ?」と感じたことはございませんか?
これは、「高い音を出すぞ!」と体(特に首まわり)が力んでしまい、本来ののびのびとした音でなくなるからなんだそうです。

勿論、これらはしっかりと鍛錬してこそ、初めて手にすることが出来るものですので、一朝一夕ではどうしようもございません。

ともあれ、「呼吸」は発声のみならず我々人のなくてはならない生理現象です。
これをコントロールする事が出来れば、健康や内側からの美容にも繋がります。(ヨガも呼吸を重んじる様ですしね。)

お嬢様の大好きな「からおけ」にもきっと役立つはずでございますよ?(笑)

では、長くなったので本日はこれにて。

はい?「声を結局出してないじゃないか」?

んー、コホン!
まずは何事も「基本」から。
基本をしっかりマスターしてからこそ、先に進む意味があるのです!
そう、フットマンの修行も基本から、まずは礼!
「お帰りなさいませ!」(お辞儀30°!)
そこ!角度が浅い!!

・・・・決して、息切れでくたびれたからではございません。