ケースとケーキ その壱

2月に百合野ケーキを取り扱っていただけると知り
嬉しく存じております百合野でございます。

実はこのケーキ色々出来上がるまで、少しばかり紆余曲折ございました。

今回はそのお話を少しだけ…

私は眼鏡を磨く事が大好きでございます。
そんな眼鏡を磨いている時…

一人のパティシエが頭を悩ませておりました。
お節介やきな私は、どうしたのか訪ねると…

「新しいデザートの 形は無いだろうか…」
となにやらブツブツつぶやいておりました。

私は悩み切ってしまっている彼を見て
少し気を紛らわそうと冗談まじりに

「眼鏡のケーキとかいかがです!? 眼鏡は素晴らしき物…!」

…と空気を和ませようとしたその時!

「あ!そうか…」

「それです!!」

と彼が一言…

…いやいや。

眼鏡の形をしたケーキなど見た事も無く、形が細いものなので物理的にブッセやメレンゲ菓子を作るの が限界では?
と、思っていたら…

「そのケースと眼鏡を組み合わせれば!!」

と、突然元気を出した様子でございました。

めでたしめでたし…

と、言いたい所でございますが

「これは百合野さんがくださったアイデアなのでオリジナルケーキにいたしましょう!」

と、彼は言い放ち、調理場へ走り出しました

「いやいや!!どんな味がするかも知らないですし、どん なケーキに~!?」

…という言葉は、走り去って行く彼の耳には届かなかったのでした…。

続く。