星のカケラ

 地球上に電灯が灯るようになってから、まもなく130年経とうとしております。
世界初の白熱灯、人類が手にした新たな光です。
しかしその瞬間から空の星は少しずつ、少しずつとその数を減らし続けました。
今や街で満天の星空を眺めることは叶いません。

でも、星は変わらずそこにあります。

かつての人は、星は「地球を囲むドーム状の「宇宙」の壁に平面的に散りばめられた粒の様なものである」と考えていたそうです。
地球が中心となり、太陽や月、宇宙と言う名の「囲い」の中に居て、人間こそが唯一の存在であると考えたのでしょう。

しかし天体望遠鏡の発達により、どうやらそうでは無いと言うことが解ってきます。

地球は太陽系の一惑星でしかなく、その太陽系も銀河の数百億ある星の数個でしかなく、その銀河も数億ある銀河団の一つでしかなく、その銀河団も広大な宇宙の、たった・・・そうたった一部でしかなったのです。
そう考えると、なんと我々のちっぽけなことか。

小さな我々の目に映らなくなっただけで、星たちは厳としてそこに存在しているのです。

そして今この瞬間にも、どこかで、星が誕生しています。

最近の研究で星を形成する物質は、星の内部から生まれている事が解ったそうです。
大気や、水。
我々の体の元となる炭素までも。

ある科学者が素晴らしい言葉を残しています。

『我々の体は星のカケラで出来ている』

私達も宇宙の一部なのですね。

動物も人間も。
人種も性別も。
私とお嬢様も。
あらゆる違いを越え、きっとどこかで繋がっているのかも知れません。

 さて、7月は七夕がございます。
今年は庭の芝生に寝転がり、星を眺めてみましょう。

かつて少年、少女の頃には見えた、星たちを思い出し・・・
その奥にさらに広がる数百億の星々を想像し・・・

藤堂執事に昔の夜空のお話を聞かせていただくも良いですね。

そして目を瞑り、その宇宙と我々の体に流れる「星のカケラ」との確かな繋がりを実感してみましょう・・・