時折肌寒さを感じる季節になってまいりました。
お嬢様はお風邪など召されてはいらっしゃいませんか?
私も風邪など引かぬ様、もやしっこ小野寺と共に今のうちから何か対策をしておかなければと思案しております。
さて、日々の執務に追われ、相変わらずボイストレーニングに通えなくなって久しいのですが、先日お屋敷周辺をお散歩おりましたら、ちょうど良い所に『レンタル音楽スタジオ』を発見いたしました。
クラシックを主としたスタジオらしく、ピアノや弦楽器等が配備されており、もちろん歌の練習などにも使えると言うものです。
お値段も・・・・
よかった。使用人にでも支払う事が可能な額でございます。
ちょうど時間もありましたので、試しに使用してみる事に致しました。
自室で行うのも良いのですが、何しろ両隣には人がおりますので、思い切り声を出すこともままなりません。
かといって、音圧をセーブして出し続けていると、体が変にそれに慣れてしまいそうで怖い。
たまには思い切り出してやらないと鈍ってしまうと言うものです。
それよりも、いつ隣部屋から田辺執事が殴り込みに来るか・・・と思うと集中も出来ません。
ともあれ手続きを済ませ、まず体を緩めてゆきます。
最近気づいたことですが、発声と背中の弛緩には密接な関係性があります。
背中を主に体が固いと、十分な声が出ず、喉を痛めてしまいます。
呼吸も浅くなり、のびのびと発声することが出来ません。
十分にほぐした後は、呼吸を整えます。(詳しくは、以前の日誌『インドア・トレーニングその2』をご覧下さい。)
では、早速発声を始めましょう。
「アメンボ赤いな あいうえお 浮き藻に小エビも泳いで・・・」
・・・・
失礼しました、こちらは北原白秋の「五十音」
お芝居などの練習に使うものでした。
気を取り直し。
「みぃー、えー、あー、おー、うー」
母音を意識し、舌の形、口の形、喉の開き、空気の通りを確認していきます。
低い音階から一定の音で発声し、言い終えてから鼻から息を吸い込み、今度は一音音階を上げて発声。
この要領で、音階を高くしてゆき、無理のない高さまで来ましたら、再び音を落としてゆきます。
自分の限界の低さまで。
ここで重要なのは、「みー、えー、あー、おー、うー」と違う発音で発声しますが、口の形、喉の開きを一定に保つことです。
男性ならば、喉仏が上ずらないように。
女性であっても、喉に手を当てると同じ現象が起こると判りますので注意します。
このテクニックが歌の音と音の繋がりを流れるようにしてくれます。
「喉の開き」とは?
つまり、声帯に力を掛けないことです。
よく「あくび」をした時の喉の状態に例えられますが、まさにその感覚です。
自身の限界に対し極端に音が高く、又は低くなったときに喉は絞まります。
これが、喉を痛める原因です。
ガラガラ声になるのは大抵、喉に使い方を間違っているからです。
プロのオペラ歌手はどんなに大きな声で、どんなに高い音を出し続けても、喉が疲れる事はあっても決してガラガラ声にはなりません。
さすがプロと言ったところでございますね。
さて、どうもこの手の話は、長くなってしまう様でございます。
今ひとつ、まとまりきっておりませんが、本日はここまで。
続きはまたの機会にさせて頂きましょう。