12月に入り、風の冷たさも空の高さも増してきたように感じております。
街中もティーサロンの中も、すっかりクリスマス色に染まってまいりましたね。12月25日クリスマス当日、わたくし伊織よりお嬢様方へプレゼントといたしまして、エクストラティーをご用意させていただきます。
このたびご用意させていただくエクストラティーは、紅茶の茶葉はいっさいお使いしません。お使いするのは甘味を加えるための砂糖とシナモン、そしてたっぷりのベリー類でございます。
シナモン?
そう、わたくしが唯一といってもいい「嫌い」だと断言できる食材でございます。どうして木の皮なんて重宝がられるのでしょう?
木の皮なんて、真冬に食べ物に困った鹿がしかたなく口にするくらいの物でしかないはずですのに……。
しかし、わたくしがシナモンが嫌いだからといって、お嬢様がお嫌いだとは限りません。今回は自分に鞭打ってシナモンを使ったレシピをご提供するつもりでした。
「つもりでした」
どうやらわたくし、シナモンが大丈夫なようです。
しかしカシアとニッキはダメなようです。
実は日本でシナモンと呼ばれるものの中には、「シナモン」と「カシア」という似て非なる木の皮が含まれ、区別されることは少ないのだそうです。
パティシエからいただいた「シナモン」は穏やかな香りで、わたくしの苦手な脳髄に杭を打ち込むようなスパイシーさはございません。
無理をするどころか、よろこんでエクストラティーに使わせていただくことになりました。
さて、今回のレシピの主役はシナモンではなくたっぷりの「ベリー類」です。
お使いする物を並べてみましょう。
・ストロベリー
・ワイルドストロベリー
・ブルーベリー
・ラズベリー
・ブラックベリー
・マルベリー
・リンゴンベリー
・レッドカラント
・ブラックカラント
・チェリー
ここに、グズベリーとクラウドベリーのジャムを加えて、甘酸っぱくて身も心も温まる一杯をお作りいたします。
ひとりでも多くのお嬢様に召し上がっていただけることを願っております。